『天満月の夢』・2

 そうそう、思い出しました。

 テト、と名付けた理由。

 当時、朔は世界史を選択しておりまして。
 タキトゥス(古代ローマの歴史家・政治家)という名前の響きが
 いたく気に入っておったのです(笑)
 他にも、アッシュール=バニパル王も大好きでした。
 アリストファネスとか。なんとなく(笑)
 それで、祖母たちから旅行のおみやげにもらったキーホルダーが、
 素朴な人形だったのですが、見た瞬間に「これはタキトゥスだ!!」と思ってしまい、
 タキ、と名付けたのです。お気に入りでした。
 そんなことがあって、なぜかテトはテトになったのです。

 あ、意味解らんとお思いですね?

 そう。
 朔の頭の中は、何か自分でしか解らない(時に自分すら解らない)法則で動いているのです。
 お話の主人公にタキ、と同じ名前を付けるのはイメージが固定されて嫌だなぁと思って、
「同じタ行つながり&2字」で名付けたとでも思って下さい。

 その後《テト》シリーズがはじまるにあたって、テトにお兄さんがいることが判明したので、
 タキは「もうこりゃタキって名前しかないだろう」ということになり、タキになったのです。
 しかもいつの間にか、タキの本名がタキトゥスってことになってるし(笑)

 タキトゥス♪ 素敵な響きです♪♪

 脱線しますが。
 世界史の先生が「アウグスブルクのフッガー家〜♪」
 と歌うような調子でおっしゃるのも好きでした(笑)
 いい声なんですよ(笑)
 世界史、楽しかったなぁ。

 …なんの話でしたっけ?

 えーと、遠足ですが、目的地がどこだったのかは忘れました。
 お話に夢中になってたもので(笑)
 でも、集合写真は残ってるんですよ。どこだか知りませんが。

 で、遠足から帰ってきて、確か体育祭の時だったんじゃないかな?
 朔は校庭にルーズリーフとバインダーを持ち出し、
 お話を記録すると共に完成を目指そうと張り切ったわけですよ(笑)
 でも演目もあるし、何しろ目立つし……(アタリマエ)
 結局「それは冬の寒い朝のことでした」から2,3行しか進みませんでした。

 この時初めて「書く」という作業に入ったわけですが、
 最初は、戯曲風でした。
 戯曲というとカッコ良いですが、単にテト・ムーン・ナレーターという3役が主な構成員だったというだけです。
 しかもト書きはほとんどないし。
 ああ、そうか。戯曲風ではなくて、ラジオドラマの脚本のような感じです。
 すべてセリフで構成されていました。
 というか、構成させようとしました。

 体育祭以後は、何となくテトたちの物語から離れてしまい、
 その後、卒業直前になるまで、この物語は放置されることとなりました。