なぜ、自分の首が回らなくなるような借金(そんな大袈裟な…)を作ってまで、
共同出版に挑戦したのか。
理由は、大きく分けて以下の3点です。
その1.出版業界に興味があり、本が出来るまでの過程を自分で体験してみたかった。
どの業界もそうでしょうが、出版にもその業界の用語があったり…と、
いろいろとおもしろい体験をさせてもらいました。
その2.もう時間的余裕がなかった。
共同出版のお話をお受けしたのが、3回生の6月。
その時点のお話で、本が実際に出版されるのは
2006年の3月下旬くらいになるだろうと説明を受けました。
つまり校正作業やら何やらで、出版までに最短でも9ヶ月は掛かるということです。
本を出版できるのなら、学生時代の思い出にしたい!
そう思った朔は、秋からは就職活動がはじまるし、
やるならもう今しかないと思ったのです。
その3.もう書けないから。
『天満月の夢』はこれまで説明してきたように、
高校生の朔が作ったお話に大きく依拠しています。
それから年月が過ぎ、今の自分には、もう同じ話は書けないと思ったからです。
高校生の時の自分は、今の朔と同じ人間だけど、やっぱり少し違います。
同じ話を書けと言われても、もう無理です。
だから《閑古鳥の啼く朝に》の『天満月の夢』も、厳密に言うと
これから出版される『天満月の夢』とはどこか違った物語です。
高校生だった朔が考え、創り上げていった世界は、高校生の朔にしか書けない世界でした。
そこで、高校生時代の記念碑的作品として、カタチにしてみたかったのでした。
やっぱり、あの頃の感性が一番瑞々しかったのかな、とか思いながら(笑)
それから…朔自身が「新風舎」さんに惹かれたというのもあります(笑)
だって新風舎さんのコンセプトは、「表現する人が一番エライ」なんですよ?
素敵な会社じゃないですか!(笑)
それに、「新風舎」という社名が気に入ったのです(笑)
本当に朔は…
タキトゥスといい、アッシュール=バニパルといい、アリストファネスといい、
はたまたネヴィル=チェンバレン、セシル=ローズ、ノヴァーリス、金印勅書、
大陸横断鉄道、フロンティア、郭守敬、ゾロアスター教、モーパッサン……
ワケの解らんところで「つゆだく」など、
音の響きから「何となく好き♪」というものがたくさんあるのです(笑)
「新風舎」という社名が、たまたま朔の琴線に触れてしまったのです。
以上のような理由から、朔は「共同出版」へと一歩踏み込んだのでした。
……改めて振り返ると…いかにもいい加減な生き方をしていますね(笑)
まぁいいや。楽しく生きようぜ。
直感は大事だ。うん。
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