ところで、実際に校正作業に入ってからですが。
何度か担当の編集さんとメールや原稿をやりとりしての作業でした。
「共同出版」という形態なので、校正作業も出版社だけに任せるのではなく、
著者(朔)の責任の下、行なわれるというカタチです。
では、「共同」でない普通の出版ならどうなんだろ?
と思いますが、どうなんでしょうね?(笑)
大体原稿が送られてきてから朔が校正をチェックするのに、
1〜2週間くらいの期間がありました。
これ、結構キツイんです(笑)
同じ話を何度も繰り返して読む、って作業。
誤字脱字や文法の誤りのチェックですから、
物語だけを追っていてはいけないし、
自分の書いた話だから内容は解りきってるのに、
何度も何度も読まなければならない……
イヤになってきますよ?
そのうち、目が字を上滑りに追っていくだけになるんです。
でも、この作業を嫌がっていては、
出版社で編集の仕事はできないんだろうなぁって思いました。
仕事としてこの作業をするとき、
例えば全然興味のないジャンルに配属されれば、
それはもう地獄としか言いようのない作業だろうなぁ……
例えば朔が、ハーレクイーン?ハーレークイーン?
よくわかりませんが、大人の人が読むような恋愛小説の部門に回されたら…
一年と持たずに辞めてしまうかもしれません。
どんな仕事にも、嫌な面ってあるのだなぁと。
楽しいだけが仕事じゃない、そう実感しました。
それを我慢してやるのが、社会人の務めだとも思いますけど。
学生と社会人の最大の違いって、たぶんそこですよね。
お金を貰って働いているのだから、イヤなこともしなきゃなんない。
学生なら、バイト替えれば済む話ですから。
話が逸れました。
表紙のイラストですが、日記や掲示板に書いてある通り、
数ある候補の中から朔が是非書いて欲しい♪ と思った方に描いて頂きました。
ウズ(酒井千恵)さんとおっしゃる方です。
ウズさんに決まってから、3つのサンプルを頂きまして。
その1つ目が、今回の表紙です(*^-^*)
2つ目はふたりが《光の涙》を手にする場面、
3つ目には、《ハルシオン祭》の広場で噴水に腰掛け、月を見上げている場面です。
どれもステキで、表紙をどれにするかすごく悩みました(笑)
2つ目のイラストではムーンの耳がちらっと見えていて、とても可愛らしいのです。
3つ目には「私の好きなシーンなので描いてしまったのですが」
とウズさんがコメントして下さり、狂喜乱舞したのは言うまでもありません(笑)
ちなみに、本を裏返すと、そこにもイラストがあります。
ブリキのロボット、ランタン、《ドロップ・ドロップ》です。
可愛い……o(*>_<*)o
友達の意見も参考にしつつ、「1でお願いします」と連絡をすると、
しばらくして、実際に表紙になった時のカバーサンプルが2点送られてきました。
今度は、どんなデザインにするか、を決めるためです。
題名をどんな字体、どんなバランスで配置するか、とかそんなのです。
その時……実は、満月が今のように黄色ではありませんでした……
そこで朔は、無理を言って月を黄色くしてもらいました(^-^;)
星は黄色いのに、どうして満月が青白いんだろう? なんだか淋しそうに見えないかな?
と思って、できれば……という感じでお願いしてみると、
担当の編集者の方から、もう出来上がってるから無理だと思いますが頑張ってみます
という感じのお返事を頂きました。
その時になってはじめて、
ああっ、本職のイラストレーターさんがこれでいいと思って描いて下さったのに
何と言うコトを!! 編集者さんも、無理言ってスイマセン!!(>_<)
と青くなったのでした……。
それで、そのまま諦めて…というかその件は忘れていたのですが(笑)、
実際に本が完成して送られてきたのを見れば…
なんと、月が朔の希望とおり黄色になっているではありませんか!!
急いで連絡してみると、出来上がったイラスト自体は加工できなかったので、
装丁の段階で処理を施した、とのこと。
もう、本当にありがとうございます、という感じでした。
頭が下がりっぱなしです、本当に。
帯の文句も、(たぶん)編集者の方が考えてくれました。
なのに朔はそれにも訂正を入れ(不遜なヤツです)、
表の文は朔が考えたものになっています。
どうしても、タイトルの意味する掛詞を理解して欲しかったので。
でも、裏の文は違うんですよ。
この文のおかげで、作品の雰囲気がよく伝わっていると思います(^-^)
編集者さんは偉大です。
以上このような運びで、めでたく出版を迎えることができました。
後悔はしていません。
さて、次回で『天満月の夢』の裏話も最終回です。
|