「時の館」
《時の館》の基本設定は、『天満月の夢』から引き継いでいますが、
ここでは新たな設定も付け加えています。
部屋の内装の様子とか、窓からそれぞれ別の風景が見えるとか。
窓から…の設定は、この裏話を書くために読み返すまで、朔自身も忘れてました(笑)
へー、よくこんなこと思いついたな。という感じ(自画自賛?)
ところで、最後のトキのセリフ。
真ん中の「……」に何が入るか…お解り頂けたでしょうか?
自分でタネ明かしするのもなんですが、あそこは
「本当に、兄弟仲が良くて、羨ましいよ」
です。
そしてその後のテトのモノローグ(?)につながるわけです。
「少女」
何を思ったのか、トキはおもむろに竹取物語をテトに話しはじめます。
あああ、こんなことするから、話がややこしいことに…。
その上遊び半分に月乃なんか投入するもんだから……
月乃はもちろん『セイレーン』の月乃です。
この時点でまだ『セイレーン』の公開ははじまっていなかったのですが、
いずれ公開しようと思っていたので、フライング気味に登場です。
月乃はまだ目覚めておらず、扉から扉を渡って、
人間の魂を手に入れ転生を繰り返す乙女の遍歴を追っていたのでした。
そしてら、誤って《時の館》に出てしまった。そういう設定です。
そんなの、ここでこうやって書かなきゃ誰でも解んないってーの(笑)
月乃は外見的美しさ・可愛らしさを評価されることを嫌うので、
美人だから、という理由で貴公子たちから求婚されるかぐや姫の話が好きなはずがありません。
そこで、かなり彼女なりの曲解した『竹取物語』がテトに語られるわけとなったのです。
「月への旅立ち」
タネ明かし。
月乃の前に現れた、彼女そっくりの年長の少女の影、というのは
トキが言うように、月乃の本来の姿です。
本当なら、このくらいに成長していたはず、という姿。
それから、トキが言う月乃を守っているものとは、ウンディーネのことです。
ここまで、《テト》Tを自分で読み返してみて……
想像以上に『天満月の夢』の影響が強くてびっくりです。
こんなにも踏まえていたなんて。
さて、次からは第3部に突入です。
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