このお話の冒頭は、《テト》Tの1幕「T市」の冒頭とリンクしています。
学校での義務ボランティアとして教会で賛美歌を捧げるテト。
Tではその後でテトは月華と出会い、物語は進展していきます。
そしてここUでは、同じく義務ボランティアとして教会に来ていたシオの視線でその場面が再演されます。
実は画像もリンクしてまして、Tにあるのが外観、Uが内観です。
どちらもミラノのドゥオモ。
地下鉄の駅から近いところとか、近くにガッレリア(アーケード街)があるところとか、そこを通りぬければオペラハウスや市庁舎があるとことも、ミラノの街そのままです(笑)
詳しくはT市の地図を参照して下さい。
さて、ミサの席でテトそしてタキの存在に目を留めたシオ。
その時はちょっと気になった、その程度の出来事でしたが、それが後々シオの人生に大きく関わってきます。
評議委員会の集まりでタキと再会したシオ。
シオの目に憧れとして映るタキの姿は、そのまま朔から見た憧れの姿なのかもしれません(笑)
シオは、小手先の器用さと頭の回転の速さ(臨機応変さも含む)だけを取り柄に、これまで何事にもソツなく生きてきた少年です。
良くも悪くもタキとは正反対。
シオのような生き方は一見スマートそうに見えるけど、でも本人としては仮面を被ってその場凌ぎの「エエ恰好しぃ」をしているような気がしてなりません。
頭がいい分自己嫌悪に陥りやすいシオの苦悩を、タキが理解する日は来ないかもしれませんが、お互いいい影響を与え合って成長していって欲しいキャラたちです。
シオがタキに近づきたいと思うのは、己が何者か見極めたい、そして忌まわしい自己から逃れたいと思う青少年の希求なのかもしれません。
いつまでも根が単純なタキよりは、一歩も二歩も先を歩いている少年と言えます。
そして物語ラスト。
晴れて同じクラスになったシオとタキ。
その数日後のお話が、《テト》Uの「ティッツィ座」です。
余談…というか、間抜けな話ですが。
この話を作るまで、テトたちに苗字を含む「本名」があることを作者である朔ですら知りませんでした(笑)
でも、クラス発表の掲示板に名前しかないのはおかしかろう→苗字が必要
なんか…シオにはちゃんとした名前があるのに、テトやタキだけ妙に軽い愛称みたいな名前って…→じゃあこれも愛称ということにして、本名はそれらしく作ってしまえ
という運びになり、シリーズ2作目にしてようやく主人公たちの名前が正式に決定したのでした(笑)
いやぁ、人生何事も先は読めませんね!
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