追 憶

 秀一は身寄りを亡くし、ひとりで古い大きな家に住む高校一年生。

 「家」の確執。次期茶道家元という立場。癒しがたい孤独と疲れ――

そんな彼を救い上げたのは、級友笹峰との出会いだった。

しかし、彼もまた自分の中に孤独を抱え込んでいて――

  幼い頃から秀一を見守り続ける将人。

決して本心を見せない笹峰。

秀一を敵視する陽司。

そして、雨に紛れて秀一を訪なう少年の正体は――

 様々に繰り返される問いと答え。

その先に秀一の見つめるものとは一体……


※ 主人公秀一が10年前を振り返る、という形式で進む一人称小説です。

          * 目 次 *

           プロローグ
            前略 お元気ですか。
 

第1章 水無月の頃
   

 

第2章 神無月の頃
                10
 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
 

            エピローグ
             これからも。

         * 外伝 目次 *

            『手紙』

            『在りし日の記憶』  * * * * * * * *

            『 I wish... 』  * * (劇場公開半年を記念して)

           『バレンタイン受難』 (2006年バレンタイン企画)

            『御影ヶ丘』 (40000ヒット感謝記念作品)
            

       * 登場人物紹介 *

        守屋秀一(モリヤ シュウイチ)
          主人公。紫ノ宮学園高等部一年。
             御影ヶ丘流茶道の8代目家元継承者として、幼い頃から大人に囲まれて育ってきた。
             春に祖母を亡くし、天涯孤独の身の上となる。
             性格は自己主張に欠け、我慢強い。


        笹峰要(ササミネ カナメ)
          秀一のクラスメイト。実際年齢はひとつ上。
          訳あって留年している。
          現在は祖母との2人暮らし。
          金色にブリーチした長髪がトレードマーク。
          ぶっきらぼうで人付き合いを好まない。

        桜井将人(サクライ マサト)
            26歳。弁護士。秀一の後見人を自称。
            本当はまだ父親から仕事を引き継がせてもらえていない模様。
            秀一にとっては兄であり母のような存在。
            最近は煙たがられているが、本人は気にしていない。
            しょっちゅう守屋の家に出入りしている。

        守屋聡佑(モリヤ ソウスケ)
            秀一の父。5年前に事故で他界。
            紫ノ宮学園高等部で国語科教員をしていた。
            今、その過去に光が当てられる。


        守屋幽江(茶名。本名;キミ江)(モリヤ ユウコウ)
            秀一の祖母。春に旅先で急死。
            御影ヶ丘流茶道7代目お家元。
            ひとり離れで暮らし、秀一に祖母としての親しみを示すことはなかった。

   
        高倉陽司(タカクラ ヨウジ)
            秀一の父方の従兄弟。
            紫ノ宮学園高等部一年。
            なぜか秀一を敵視し、辛らつな言葉を浴びせる。



        小舟(コブネ)
          謎の少年。


案 内