追 憶
秀一は身寄りを亡くし、ひとりで古い大きな家に住む高校一年生。
「家」の確執。次期茶道家元という立場。癒しがたい孤独と疲れ――
そんな彼を救い上げたのは、級友笹峰との出会いだった。
しかし、彼もまた自分の中に孤独を抱え込んでいて――
幼い頃から秀一を見守り続ける将人。
決して本心を見せない笹峰。
秀一を敵視する陽司。
そして、雨に紛れて秀一を訪なう少年の正体は――
様々に繰り返される問いと答え。
その先に秀一の見つめるものとは一体……
※ 主人公秀一が10年前を振り返る、という形式で進む一人称小説です。
* 目 次 *
プロローグ
前略 お元気ですか。
エピローグ
これからも。
* 外伝 目次 *
『手紙』
『在りし日の記憶』 1 * 2 * 3 * 4 * 5 * 6 * 7 * 8 * 9
『 I
wish... 』 1 * 2 * 3 (劇場公開半年を記念して)
『バレンタイン受難』 (2006年バレンタイン企画)
『御影ヶ丘』 (40000ヒット感謝記念作品)
* 登場人物紹介 *
守屋秀一(モリヤ
シュウイチ)
主人公。紫ノ宮学園高等部一年。
御影ヶ丘流茶道の8代目家元継承者として、幼い頃から大人に囲まれて育ってきた。
春に祖母を亡くし、天涯孤独の身の上となる。
性格は自己主張に欠け、我慢強い。
笹峰要(ササミネ
カナメ)
秀一のクラスメイト。実際年齢はひとつ上。
訳あって留年している。
現在は祖母との2人暮らし。
金色にブリーチした長髪がトレードマーク。
ぶっきらぼうで人付き合いを好まない。
桜井将人(サクライ
マサト)
26歳。弁護士。秀一の後見人を自称。
本当はまだ父親から仕事を引き継がせてもらえていない模様。
秀一にとっては兄であり母のような存在。
最近は煙たがられているが、本人は気にしていない。
しょっちゅう守屋の家に出入りしている。
守屋聡佑(モリヤ
ソウスケ)
秀一の父。5年前に事故で他界。
紫ノ宮学園高等部で国語科教員をしていた。
今、その過去に光が当てられる。
守屋幽江(茶名。本名;キミ江)(モリヤ
ユウコウ)
秀一の祖母。春に旅先で急死。
御影ヶ丘流茶道7代目お家元。
ひとり離れで暮らし、秀一に祖母としての親しみを示すことはなかった。
高倉陽司(タカクラ
ヨウジ)
秀一の父方の従兄弟。
紫ノ宮学園高等部一年。
なぜか秀一を敵視し、辛らつな言葉を浴びせる。
小舟(コブネ)
謎の少年。
案 内
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