*プロローグ*



 
 

月の光を閉じ籠めた、

琥珀色の宝石。

 

いつかの海で拾った、

小さな巻貝。

 

ちょっとおしゃべりな、

ブリキのロボット。

 

明るく紅玉(ルビィ) 色に輝く、

まんまるドロップ。

 
 


そんなもので構成(でき) ている、

ぼくたちの世界。

 
 


天鵞絨(びろうど) 夜天(そら) には、

たくさんの綺羅星と

とびっきりまぁるいお月さま。

 


伝説の鳥(ハルシオン) がやって来るという冬至の朝 

ぼくたちは薄暗い街へと飛び出した。

まだ見ぬ
不思議世界を求めて―――― 



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